食物繊維こそが真のベースサプリメントである!

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食物繊維の働きについて

食物繊維について、簡潔に説明します。
糖尿病のガイドラインでは食物繊維について、
・全死亡率、心血管疾患、2型糖尿病、炎症性大腸疾患、全癌死亡率、なかでも大腸がん・膵臓がん・乳がんにおいては強い関連が報告されている。

→『食物繊維を適正量摂取すれば癌、脳梗塞などを明らかに抑えれますよ』

・2型糖尿病において食物繊維の平均摂取量が1日20gを超えると、有意な低下傾向にある。特に野菜、果物由来ではなく、穀物由来食物繊維はより低下するようである。また、量に関しては多ければ多いほどHNA1cが低下することがわかっている。
1日平均18.3gの摂取により、平均15.3mg/dlの空腹時血糖の低下が観察された。

→『食物繊維を毎日きちんと摂取すれば血糖値が明らかによくなりますよ』

としています。

さらに肥満と食物繊維の摂取量には関連があり、食物繊維は満腹感を増すために、空腹感が減少し、摂取カロリーが減少することがわかっています。

つまり、メタボリックドミノを根本から解決してくれる可能性があるのです。さらにプロバイオティクス、不飽和脂肪酸を組み合わせることにより、慢性炎症にも効果が望めます。

また、もう一つの食物繊維の重要な働きとして、血糖スパイク(食後の急激な血糖値の上昇)を抑制してくれるという効果があります。

肥満を解決するには、ファスティングは明らかに有効です。
ファスティングによって、
・食欲抑制
・筋肉量と骨密度を高める
・脂肪をエネルギーとする
・基礎代謝アップ
という効果が望め、従来のダイエット法と比較してリバウンドしにくい等の利点もあります。

しかし、血糖スパイクを引き起こしやすくなってしまうというデメリットもあるのです。

 

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そしてこの血糖スパイクは、糖尿病、認知症、心血管障害の発症要因となってしまいます。
そんな厄介な血糖スパイクを予防してくれるのが、食物繊維です。

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万能薬の食物繊維→日本人は不足状態にあります

では日本人の食物繊維摂取状況はどうでしょうか?

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上記は日経goodayの資料を拝借していますが、食物繊維が不足していることは明らかです。

糖尿病ガイドラインでは『2型糖尿病において食物繊維の平均摂取量が1日20gを超えると、有意な低下傾向にある。』とあり、それくらいは摂取したいところですが、日本人は一日当たり5g前後不足しているようです。

 

食物繊維のメカニズム

食物繊維の働きとして特に重要なポイントは下記の3点です。

①短鎖脂肪酸として体内で代謝される→基礎代謝アップ、食欲抑制によるダイエット作用、発がん抑制、認知症予防

②腸管のバリア機能を強化し悪玉菌の体内への侵入を防ぐ→慢性炎症予防

③アレルギーを抑える

それぞれを簡単に説明させて頂きます。

①食物繊維は短鎖脂肪酸として体内で代謝される1)2)3)

食中の食物繊維を原料に、主にBacteroides門、Firmicutes門等の腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出します。そしてそれが腸管内、体内において様々な有効性を発揮します。
短鎖脂肪酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸の三種類の総称です。

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体内に吸収された各短鎖脂肪酸によって作用機序が異なります。

GPR41;食欲抑制、交感神経活性にともなう消費カロリーUP!
GPR43;GPR41と同様にL細胞に発現し GLP1分泌(GLP1は究 極の痩せホルモンです)
   脂肪細胞に働き、脂肪蓄積抑制 インスリン抵抗性改善し体重減少 

 

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つまりせっかく食物繊維を摂取するのであれば、効率的にGPR41,43に作用する食物繊維を摂取したいものです。

②腸管のバリア機能を強化し悪玉菌の体内への侵入を防ぐ6)

短鎖脂肪酸は、腸の上皮細胞に働きかけ、ムチンというバリア物質を増加させ、粘液産生を促進することにより,腸管上皮バリア 機能の維持に重要な役割を果たしています。

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腸管上皮バリアの破綻は腸内悪玉菌が産生する lipopolysaccharide(LPS)の腸管内から血中へ の移行(bacterial translocation)を可能とし, 結果的に肥満、インスリン抵抗性の原因となる慢性炎症の原因となります。7)

つまり短鎖脂肪酸は、腸管粘膜にバリアを張ることにより悪玉菌の体内への侵入を防ぎます。

③アレルギーを抑える

短鎖脂肪酸のうち『酪酸』は,T細胞のエピゲノム状を変化させて制御性T細胞(treg)の分化を誘導し,アレルギーを抑制します.7)

体内では自己免疫は適度に働くことにより、免疫機能の恒常性を保っていますが、攻撃寄りにシフトしてしまうことで『花粉症』『喘息』『アトピー性皮膚炎』『関節リウマチ』などのアレルギー疾患が増えてしまいます。

上記疾患では、Treg細胞が機能不十分な状態に陥ってしまっています。

食物繊維はTreg細胞に働きかけて、アレルギー疾患を予防することが示唆されています。8)

食物繊維は医薬品として存在しない

これらの事実を基に、私は肥満、アレルギー、糖尿病などの患者さんに「食物繊維を毎日20グラム摂取してください」と説明しましたが、「忙しくて難しい! 錠剤の形で処方してくれ!」と言われました。

ここでハッとしました。「ガイドラインに明記され、メタボリックドミノ解決物質であり重要な栄養素食物繊維だが、薬剤としては存在していないし、野菜として自分も摂取できていない」と気付いたのです。

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一般に「1日野菜350gの摂取が望ましい」とよく言われますが、これは野菜や豆類、海藻をバランス良く摂取すると食物繊維が15〜20g程度になりやすいだけであって、食物繊維の少ない野菜ばかりを食べていても十分に食物繊維が摂取できるわけではなく、非効率です。

特に、キャベツ(1.8g/100gあたり)やキュウリ(同1.1g)、白菜(同1.3g)など、サラダや炒め物によく使われるメジャーな野菜には、あまり食物繊維が含まれていません。
病気を根本から解決してくれる食物繊維を毎日摂取するのは、かなり難しいのです。

しかも論文を徹底的に精査しましたが、『どの野菜由来の食物繊維が短鎖脂肪酸を発生するか』のデータは存在しませんでした。

『となるとサプリメントでGRP41,43を効率的に作用する成分を重点的に摂取できないか?』

『忙しい方、料理を作る気力がない方でも手軽に摂取できるサプリメントが欲しい!』

と思うようになりました。

 

信頼のできるサプリメントとは?

慢性炎症フロー、メタボリックドミノを根本から解決できる食物繊維なのですが、現在は次のような状況です。(記載内容に重複点がある点を強くお詫びします)
・医薬品として存在しない。
・医師も重要性を認識していない。
・勧めるとしても、何を患者に勧めたらよいかわからない。

そして、消費者サイドでは次のような懸念が予測されます。
・サプリとして飲むなら、安全性はどうか?
・用法・用量は?
・生産地は?
・遺伝子組み換えはないか?
・保存料や添加剤は使用していないか?

・有効性はあるのか?

上記条件を満たしているサプリメントを精査しましたが、残念ながら存在せず、私の把握する限り国内外のサプリ会社は不透明な印象を受けました。

『ならば自分で創ってしまおう!』と思い、Purevidence株式会社を設立しました。

1Hua V. Lin, et al. (2012). “Butyrate and Propionate Protect against Diet-Induced Obesity and Regulate Gut Hormones via Free Fatty Acid Receptor 3-Independent Mechanisms”. PLoS One 7 (4): e35240. doi:10.1371/journal.pone.0035240.
2G. Frost, et al. (April 2014). “The short-chain fatty acid acetate reduces appetite via a central homeostatic mechanism”. Nat. Commun. 5: 3611.

3木村郁夫 (2014). “腸内細菌叢を介した食事性栄養認識受容体による宿主エネルギー恒常性維持機構”. YAKUGAKU ZASSHI 134 (10): 1030-42. doi:10.1248/yakushi.14-00169.

園山慶、メタボリックシンドロームと腸内細菌叢 腸内細菌学雑誌 Vol.24 (2010) No.3 P193-201, doi:10.11209/jim.24.193

4) S. Fukuda, et al. (January 2011). “Bifidobacteria can protect from enteropathogenic infection through production of acetate”. Nature 469: 543-


5)Roberto Berni Canani, et al. (March 2011). “A potential beneficial effects of butyrate in intestinal and extraintestinal diseases”. World J. Gastroenterol 17 (12): 1519-28.

6)Park J, Choi TJ, Kang KS, Choi SH. The Interrelationships between Intestinal Permeability and Phlegm Syndrome and Therapeutic Potential of Some Medicinal Herbs. Biomolecules. 2021 Feb 15;11(2):284. doi: 10.3390/biom11020284. PMID: 33671865; PMCID: PMC7918952.

7)Stilling RM, van de Wouw M, Clarke G, Stanton C, Dinan TG, Cryan JF. The neuropharmacology of butyrate: The bread and butter of the microbiota-gut-brain axis? Neurochem Int. 2016 Oct;99:110-132. doi: 10.1016/j.neuint.2016.06.011. Epub 2016 Jun 23. PMID: 27346602.

8)McKenzie C, Tan J, Macia L, Mackay CR. The nutrition-gut microbiome-physiology axis and allergic diseases. Immunol Rev. 2017 Jul;278(1):277-295. doi: 10.1111/imr.12556. PMID: 28658542.

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