美容のために必要な成分として良く紹介されているコラーゲンについて、どこまで理解できているでしょうか。
この記事では、人体におけるコラーゲンの役割と特徴について、医師監修の正しい情報をご紹介します。
コラーゲンは人体のあらゆる部分に存在する
コラーゲンはタンパク質の一種で、人体において筋肉や血管、さらに骨や関節など広く含まれています。
人の全体重のおよそ20%がタンパク質と言われていますが、そのタンパク質の約1/3をコラーゲンが占めていると考えられています。
このうち、特にコラーゲンが多く含まれている組織として、毛細血管と皮膚の真皮層が挙げられます。
毛細血管は100%がコラーゲン、皮膚真皮の繊維成分の約90%がコラーゲンで構成されています。
コラーゲンは柔軟性や水分量を保つ役割
コラーゲンは柔軟性や水分量を保つ働きがあります。
特に真皮の約90%を占める皮膚においては、肌の柔軟性や水分量はコラーゲンが大きく関わっており、柔軟性や水分量を維持したい場合は真皮のコラーゲン量を維持することがとても大切だと考えられます。
コラーゲンは20代後半から減少し、たるみ・シワの原因になりうる
さまざまな研究で、20代後半から特に皮膚のコラーゲン量が減少していくことが分かっています。
減少する原因として以下が挙げられます。
①皮膚中の線維芽細胞での産生が低下
紫外線による肌へのダメージや、活性酸素(ROS)によってコラーゲン生成を行う繊維芽細胞が傷つけられ、コラーゲンの産生が低下します。
②コラーゲン繊維の減少や変性
加齢によってマトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP1)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)、ヒアルロニダーゼ-1(HYAL1)という酵素の分泌が促進されます。これらの酵素はコラーゲンだけでなくエラスチンやヒアルロン酸などの変性や分解を行うため結果として真皮中のコラーゲン繊維が減少・変性します。
これらの原因によりコラーゲン量が減少した結果、柔軟性および水分量の低下し、肌においてはたるみ、シワが起きると考えられています。
肌の以外にもコラーゲンの減少により様々な影響が起こる
見た目でわかりやすい肌への影響以外にも、加齢によるコラーゲンの減少は全身のさまざまな場所に影響を及ぼします。これは冒頭述べた通り、コラーゲンが全身のさまざまな場所に含まれているためです。
100%コラーゲンで構成されている毛細血管においては、コラーゲンの減少により機能が低下し、必要な酸素や栄養素が届かず、さらに活性酸素などの老廃物が回収されないために老化が進むという悪循環が起こると考えられています。
近年、血管と健康において注目される中で、コラーゲンの役割は肌に関する美容についてだけでなく、健康についても注目される成分となっています。
減少するコラーゲンを補うには定期的な摂取が必要
減少するコラーゲンを補うには、対外からコラーゲンを摂取することが必要になります。必要な量や効率的な摂取方法についての具体的な議論は別途ご説明しますが、コラーゲンは摂取により体内に入ったとしても、コラーゲンの有効成分は24時間で血中から消失することがわかっています。
そのため、毎日定期的にコラーゲンを摂取することが必要になります。
まとめ
コラーゲンの役割と減少メカニズムについて、最後にそれぞれの要素を確認しておきましょう。
・コラーゲンは全身の様々な場所に存在し、毛細血管と皮膚真皮に特に多い
・コラーゲンは柔軟性と水分量の保持をおこなう
・20代後半からコラーゲンの減少が発生し、肌のたるみやシワの原因となりうる
・コラーゲンの減少は血管においても影響を与え老化を促進すると考えられる
・摂取したコラーゲンの有効成分は24時間で消失するため毎日摂る必要がある
コラーゲンの役割と、減少のメカニズム、そしてそれによって起こる影響について大まかに把握できたと思います。そのほか、コラーゲンにまつわる研究についてはMedical Studyから出ている記事を照会してください。