コラーゲンの有効な摂取方法と1日の必須量

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美容そして健康に影響を与えコラーゲンをどのように摂取するのが効果的なのか、そしてどれくらいの量を摂取すると効果が期待できるのかを、コラーゲンの構造を紐解いたうえで説明します。いずれも最新の論文をベースに調査した情報であり、信頼性の高いもののみピックアップしています。日々の食事やサプリメントによる栄養補給にお役立てください。

 

コラーゲンの構造を知る

コラーゲンと一口にいっても、実は生コラーゲン、ゼラチンコラーゲン、コラーゲンペプチドと分解されそれぞれ分子量が異なります。

生コラーゲンは動物性のものであれば皮膚や筋肉などから摂取できるもので、3重らせん構造をしています。このらせん内部に水分をためることができるため、水分力の保持そして柔軟性を保つ作用があるのですが、このままでは消化されにくいものになります。

この生コラーゲンのらせん構造をほどき、1本ずつの紐に分解したものがゼラチンコラーゲンとなります。

ゼラチンコラーゲンはゼラチンの言葉の通り冷却するとゲル状となることから、食品などにつかわれることもあります。

このゼラチンコラーゲンを酵素などで更に細かく分解したものがコラーゲンペプチドになります。

摂取すべきはコラーゲンペプチド

生コラーゲン、ゼラチンコラーゲン、コラーゲンペプチドの順に細かく分解されるため、生コラーゲンよりもコラーゲンペプチドの方がより吸収されやすく効果的です。そのため、コラーゲンの摂取を目的とする場合は、コラーゲンペプチドの状態で摂取することを心掛けるべきでしょう。

他の観点として、動物由来か魚由来か、そしてコラーゲンペプチドに分解する方法によるちがいもありますが、これについては別の記事で詳しくお伝えします。

コラーゲンを肌に散布しても効果は期待できない

次に、コラーゲンの外用と内用のどちらが効果的か説明します。まずは外用についての説明です。

多くの基礎化粧品や美容液・美容クリームにコラーゲン配合のものがあります。これらを肌に散布することで効果があるのでしょうか。

まず、肌には対外の異物からわたしたちを守るためのバリア機能が備わっています。このバリア機能を通過し、肌に栄養素を送り届けるには2つの条件をクリアする必要があります。

  • 分子量が500以下であること
  • 脂溶性がある程度高いこと

一般的なコラーゲン、またヒアルロン酸もですが、これらの分子量は20万前後であり、肌を通過することが出来ません。そのため、外用しても効果が望めません。

コラーゲンの内用に効果があることが明らかに

では内用の場合はどうでしょうか。
コラーゲンをそのまま口にしても、コラーゲンはタンパク質の一種であることから通常タンパク質の一般原則として、吸収の際に大部分が遊離アミノ酸として吸収されると考えられていました。
遊離アミノ酸として吸収された場合、コラーゲンとして再度合成されるとは限らないため、長年コラーゲンの内用に意味がないと言われてきました。

しかし、近年の研究ではコラーゲンを内用するとアミノ酸まで分解されず、ジペプチド(2つ以上のアミノ酸が結合したもの)の一種で、Pro-Hyp(ヒドロキシプロリン)として吸収されることがわかりました。

このPro-Hypはほかのジペプチドにはない特殊な機能を持ち、コラーゲンの機能構造上に頻出するものであり、これが真皮のコラーゲン生成を担う繊維芽細胞の増殖を促進、つまりコラーゲンの増加につながることがわかってきました。

1日に必要なコラーゲン量は10g

最後に1日に必要なコラーゲン量についての説明です。どの程度のコラーゲンを摂取すれば肌へポジティブな影響があるのかについて様々な研究が行われてきました。

それぞれの論文によると、毎日5g10g2週間程度以上続けて摂取することで肌の水分量や弾力に有意に差異がでたと報告しています。

また、Shigemuraが2016年に興味深い報告をしており、一日2gの摂取では優位なHypペプチドの血中濃度の上昇させなかった、それ以上の量については容量依存性(多く摂取すればその分効果がでる)に上昇させたと報告しています。つまりコラーゲンペプチドを一日2g程度摂取しても効果はない可能性が高く、一日10gまでだと量が多ければ多いほど効果が高くなる可能性が示唆されたのです。

食物からコラーゲンを摂取するのは困難

コラーゲンの内用が有効であることは先に述べた通りです。そのため、まずはコラーゲンの多く含まれた食材を積極的に摂取することを考えると思います。実際にコラーゲンの多く含まれている食品を調べると、フカヒレやうなぎなどの食品が挙げられます。

しかし、これらの食品は高価であり毎日食べることは難しいでしょう。比較的安価な牛スジなどでも目標の5gを摂取するには毎日100g以上食べる必要があります。

調理法によっては余分な塩分や油分を取ることになりますし、さらに食べ物の場合コラーゲンの多くは消化吸収されにくい生コラーゲンであるため、食物によって1日に必要なコラーゲンを摂取するのは大変難しいうえにお勧めできません。

日々の食事と別に8gの摂取が望ましい

食事のみで1日に必要なコラーゲンを賄うことは困難ですが、ある程度はわたしたちは普段の食事からコラーゲンを摂取しています。調査によると、日本人の1日の平均コラーゲン摂取量は全年代で2g程度とされています。

そのことから、食事以外の方法、つまりサプリメントによって8gのコラーゲンを毎日摂取することができれば、1日の摂取目標である10gに到達することができます。

普段のバランスの良い食生活に加えて、8gのコラーゲンペプチドを目安にしてみることをお勧めします。

 

まとめ

 

コラーゲンの構造から摂取方法と量について説明をしました。

 

・コラーゲンペプチドは分子量が少なく効率的に吸収される

・コラーゲンの内用が効果的であることがわかってきた

・食事のみで1日の奨励摂取量である10gを確保するのは難しい

・普段の食事にプラスして8gのコラーゲンをサプリメントで取ることがおすすめ

コラーゲン含有の製品にたいして、そのコラーゲンはどういったものなのか、また1日にどれくらいのコラーゲンを摂取するべきなのかを判断する目安になれば幸いです。

 

 

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