【開発責任者Dr.井上に聞く】最新研究から見るコラーゲンのはたらきと品質の見分け方

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コラーゲン(コラーゲンペプチド)は古くから美容に効果があると言われてきましたが、その科学的根拠は十分に得られていませんでした。しかし近年の研究によって、コラーゲンを定期的に摂取することによりさまざまな影響を及ぼすことがわかってきました。
弊社の製品開発責任者であり現役医師であるDr.井上に、コラーゲンの最新研究成果についてインタビューします。



(1)コラーゲンの体内における働きと特徴をおしえてください。
コラーゲンは筋肉や血管、骨や関節など広く含まれており、潤いやハリのある毎日につながるものと言えるでしょう。全体重のおよそ20%がタンパク質と考えられ、そのタンパク質の1/3をコラーゲンが占めているといわれています。
また、そのコラーゲンですが、20歳以降は不足しやすいという特徴があります。以下のイメージのように、20代から30代にかけて急速に減少していきます。



(2)コラーゲンを摂取しても違いがわかりにくいと言われてきましたが、最新の研究ではどのようになっているのでしょうか?
長年、コラーゲンを経口摂取しても他のタンパク質と違いがないとされていました。理由として、他のたんぱく質と同様に遊離アミノ酸にまで分解され、再びコラーゲンとして合成されるということが無いと考えられていたからです。

しかし近年、コラーゲンを経口摂取すると体内においてコラーゲンの効率が高まることが分かってきました。具体的には、コラーゲンを経口摂取すると遊離アミノ酸ではなくPro-Hyp(プロヒドロキシプロリン)という物質に分解されることが分かっています。


上記はコラーゲンのアミノ酸配列の一部です。赤字にしたものがGly(グルコシルセラミド)、Pro(プロリン)、Hyp(ヒドロキシプロリン)になります。
ここで注目していただきたいのは、Pro-Hypの出現率です。コラーゲンの分子構造にて頻出する物質であることから、コラーゲンがほかのタンパク質と異なる違いを示す原因の一つと考えられています。

そして、コラーゲンの経口摂取によってこの物質をとりいれることが出来るため、コラーゲンの合成に影響があると考えられています。

(3)コラーゲンを摂取した場合、身体にどのような違い生まれるのでしょうか?
すでにお話したとおり、コラーゲンは身体のさまざまな所に存在し、コラーゲンが不足すると、体に必要な酸素や栄養素が届かない一因となると考えられています。

さまざまな研究により、コラーゲンペプチド摂取により全身への有益な可能性が示唆されるようになっています。

(4)コラーゲンペプチドはどの程度摂取しないといけないのでしょうか?
2012年の野口らの報告では、食事からの日本人の平均コラーゲン摂取量は全年齢で2g程度とされています。コラーゲンペプチドの恩恵を受けるには一日あたり追加で一日3g~8gの追加のコラーゲン摂取が必要と考えられます


また、Shigemuraが2016年に興味深い報告をしており、コラーゲンペプチドを一日2g程度摂取しても違いはない可能性が高く、1日10gまでだと量が多ければ多いほど違いが生まれる可能性が示唆されたということになります。

(5)では、コラーゲンを大量に摂取すれば誰でも効果を実感できるのでしょうか?
体質によっては、コラーゲンを摂取しても実感を感じにくい方もいらっしゃいます。
そのような方はコラーゲンを十分な量摂取していたとしてもこれまでに述べたような実感は望めないため、一か月程度経口摂取して効果がなければ残念ながら中止して頂くことが望ましいと考えます。

(6)コラーゲンは原料の由来によって異なる性質を持つと伺いました。具体的にどういうことかおしえてください。
コラーゲンは大きく分けて豚由来、魚由来の二つに分類されますが、一般的に動物由来の皮は革製品などに使用されていることからお分かりのように非常に頑強です。工業製品として使用するには良いのですが、体内に吸収するためにはあまり望ましくありません。

上記図をご覧ください。こちらは焼津水産化学工業が発表しているデータを基に弊社にてグラフ化したものになります。ではマリンコラーゲンペプチドと豚コラーゲンペプチドは、いずれも分子量は3000前後ですが、分解率は豚コラーゲンペプチドに比べてマリンコラーゲンぺプチドが約7倍高いことが報告されています。


一方、魚皮は可食部分であり、古くから食べられてきた実績があり、非常に安全性の高い素材です。


同じ魚由来として魚の鱗からもコラーゲンを抽出することが出来ますが、鱗は硬い性質で不純物が多く、塩酸による脱灰処理が必要となります。この処理を行う過程での塩酸が悪影響を及ぼすことがあると報告されており、また残留塩酸の体内への影響も危惧されます。


一方魚皮の場合は、水と酵素のみを利用する加水分解法という方式によってコラーゲンを抽出することができます。これは非常に安全性が高く、変性する可能性が少ないため、とりいれやすいコラーゲンペプチドを理想的な状態で抽出することができると考えられます。

 

(7)コラーゲンペプチドについてよくわかりました。それでは、PurEvidenceが採用しているコラーゲンペプチドの原料と生育環境について詳しくおしえてください。
弊社のコラーゲンは、北米の中でも環境保全の進んだ地域で育ったタラ等の天然海水魚由来です。
コラーゲンの選定を行うにあたり、天然由来であることを絶対条件としました。


市場のコラーゲンはコストの面から殆どの場合アジアでの養殖魚由来のことが多いのですが、原料となる魚の病気などを防ぐために抗生剤、ワクチンを多用することが多く、またその基準や管理状況も不透明なことが多いことが現状です。また、水質もアジアの発展途上国では環境汚染に関する規制が不十分であり、高濃度の汚染物質が未処置のまま排出されたり、不適切なごみ処理により水質のみならず土壌まで汚染されているということがままありました。


(市場のコラーゲンの見分け方としては、パッケージをご覧ください。養殖魚由来のコラーゲンはフィッシュコラーゲンとしか表記できませんが、天然由来は天然海水魚由来コラーゲンと表記されています)


そこで弊社のコラーゲンでは、天然かつ環境整備の整った海域で育った魚であることが重要であると考え、下記条件にあてはまる海域で生育されている天然魚としてカナダ原産の天然タラ由来のコラーゲンを採用しています。

①大腸菌などの病原体対策として都市下水または農業下水廃棄物に対して、水の消毒(多くの場合、塩素またはオゾンを使用し、ろ過を使用)によって制御していること。


②重金属、化学物質などの有毒物質は、水生環境への投棄を防ぐことにより、最適に制御されていること。DDTとPCBといった郊外物質の製造と使用が禁止されており、特定の金属やその他の潜在的に有害な物質の投棄を防止するためのシステムが工業プロセスで必要になっており、また一部の毒性物質は、電気めっきでのシアン化物すすぎの置き換えなど、非毒性の代替物に置き換えられていること。




(8)非常に厳しい品質管理を行っているのですね。コラーゲンペプチドの抽出過程についてはどうでしょうか?
原料の天然タラを水揚げ後、コラーゲンペプチドの抽出とその後の安全性テストについて具体的に説明します。


1:洗浄
何層にもフィルター処理をかけて精製された川の水を用いて8時間洗浄を行います。(すすぎ→洗浄→すすぎ→洗浄→すすぎ→すすぎを徹底して行います)この洗浄により、臭いの元になる脂肪酸・不純物が取り除かれ、臭い・味が極めて少ないコラーゲンの製造が可能になります。


2:抽出
コラーゲンを抽出する製造工程にもこだわりました。その製造法としては、加水分解法、アルカリ法、酵素法の三種類があります。その中でも不純物が混ざらずに、また変性させることなく純粋なコラーゲンを抽出する加水分解法が最も優れています。弊社のコラーゲンは加水分解法で抽出しています。


3:安全性テスト・アレルギー検査
いくら生育環境、製造過程にこだわっていても、安全性テストの結果をみなければ安心はできません。
毎ロット毎に日本のゼラチン工業組合が定めた規格基準より遥かに厳しい検査を行っており、重金属を10ppm未満と厳格に管理した上で、個別管理項目としてナトリウム、水銀、亜鉛、銅、鉄、鉛、ヒ素、カドミウムを測定しております。
アレルギー物質に関しても厳格に検査しており、魚の主要アレルゲンであるパルブアルブミンを測定し、0.02ppm 以下という厳しい数字を得ています。

これらの工程を経て得られるコラーゲンは100kg のタラ等の天然海水魚から 3kg の皮を採取し、その3kg の皮から 300g しか採取されません。
つまり100kgの魚よりわずか300gしかとれない大変貴重なコラーゲンです。

 

Interviewee:Dr,Inoue:井上浩一

消化器病学会専門医、内視鏡学会専門医、日本内科学会認定医、日本抗加齢医学会会員

医大卒業後12年間高度先端医療センターにて先端内視鏡治療に従事。現在も経営の傍ら現役医師として患者と向き合っている。自身の大病を機に栄養学・予防医学の重要性に気づき、科学的な根拠があり、安全性が担保されたサプリメントを実現するために商品開発チームの中心としてサプリメント開発をリードする。

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